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2010年にシカゴに設立されたヘイマーケット・オペラは、17世紀から18世紀に書かれたオペラやオラトリオなどの演目を当時の楽器で演奏することを目的とし、これまでに世界初演を含む30以上の作品を上演してきました。今回採り上げられたのは、フランスで活躍したサン=ジョルジュの歌劇《L`amant anonyme 名無しの愛人》。作曲家のパトロンでもあったフェリシテ・ド・ジャンリスの戯曲に基づく、歌唱部分に対話を織り込んだオペラ・コミック形式で書かれたこの作品は彼の6作の歌劇の中でも最も人気のあった演目ですが、現在では上演される機会がなく、このアルバムが世界初録音となります。主役レオンティーヌを歌うのは2005年の`BBCカーディフ・シンガー・オブ・ザ・ワールドの優勝者ニコラ・キャベル。存在感のある歌唱を聴かせます。相手役はシカゴ出身のテノール、ジェフリー・アグパロ。芸術監督で歌劇場の創設者でもあるグレイグ・トロンピターが総勢19人のコンパクトな編成の古楽器オーケストラから活力ある音色を引き出しています。CD3ではオーケストラのみのナンバーを収録し、組曲風にお楽しみ頂けます。 (C)RS |